手術用顕微鏡を利用した根管治療① (2)CTスキャン診断、隔壁形成

こんにちは!西新宿五丁目デンタルクリニックです。

前回は根管治療における虫歯、神経除去をご紹介いたしました。

今回は、複雑な根管を有すると判断したので、CTスキャンを行なった内容と

虫歯にて失われてしまった歯質に対する補強(隔壁)についてお話ししていきます。

(患者さんからの症例発表の許諾を得ております)

前回の治療により、歯の内部が複雑であることが予想されました。

また4根管と根管数多いため

CTスキャンを患者さんにお勧めしたところご希望がありましので、今回撮影させていただきました。

結果は4根管が正しく存在いたしました

また、特に1番太い口蓋の根管が1番膿んでいることがわかりました

ここが痛みを生じていた原因であります。

また、この根っこの先と上顎洞というお鼻と通じる空洞と密接な関係があるため、症状が悪化するとお鼻の炎症(上顎洞炎)に波及してしまう可能性もあるため、速やかな処置が必要と診断されました。

今回もラバーダムを用いて根管治療を行なったのですが、大幅の歯質が虫歯にて失われているため、唾液の漏洩や薬液の漏洩が行われやすく、このままでは完全なラバーダムの効果が得られません。また、仮蓋も取れれやすかったり、残った歯質も割れやすい状態になっているため積極的な補強が必要となります。

こちらを『隔壁』と言い、当院ではCR(コンポジットレジン)にて作製していくことが多いです。実際に作製していきました

これで、完成です。治療の成功率及び予後の良さに影響しますので積極的に作成していきます。

CTで正確な診断が完了し、隔壁が完成したので最良の根管治療を行う条件が整いました!

あとは、前回見つけた4根管をすべてしっかり内部を清掃していきます。

今回はNi-Tiロータリーファイルというものを使用し複雑な根管を清掃していきました。

これに関しては、別途ブログにて記載させてください。

清掃、洗浄し、最後に消毒のお薬(水酸化カルシウム)を貼薬して終了いたしました。

次回、症状が収まりかつ、根管内部が綺麗だったら根管治療を終えていこうと思います。

当院では基本的に根管治療では顕微鏡を使用しラバーダムを使用することがほとんどです。

この症例では手術用顕微鏡(マイクロスコープ)や特殊な器具(Ni-Tiロータリーファイル等)を駆使して良い結果を得られたケースです。

西新宿五丁目デンタルクリニック

小坂井