こんにちは!西新宿五丁目デンタルクリニックです!
前回は移植についての診査診断についてお話ししていきました。
こちらはこの症例の総括です。
今回は、最近の歯牙移植の術式で、1番成功率アップに寄与しているといっても過言ではない
『歯牙レプリカ』作成についてお話ししていきます。
こちらは前回診査診断に用いたCTデータ(お口の骨や歯を3次元的に再現する装置)から移植ドナー歯のデータを抜き出して、データ化します。
こちらを3Dプリンターにて書き出して、歯牙レプリカが完成いたします。
このレプリカを使用する利点は
①移植するドナー歯を最小限のダメージで施術可能
②治療時間の圧倒的短縮
③移植部分の適合精度向上
が挙げられます。
従来の移植治療の最大の欠点は、術者の技量に左右されること。
つまりは、抜いた歯を素早く正しく正確に移植できるかが重要でした。
そして、移植側の受け側を作成することは、ただ抜いただけでは移殖歯はほぼ適合しないので、術者側でトリミンングする必要があります。
これは意外と経験が大事であったりするので、誰もが簡単に移植治療ができない理由だったりしました。(もちろん、移植歯の抜歯の技術も大事です)
この問題を解決したのが『歯牙レプリカ』なのです。
移植する歯は抜いた後時間が経つにつれて治療の成功率が下がります。
この時間を無視できれば、さらに移植側の受け皿を移植歯を抜く前に正確に作ることができるので
どんなドクターでも移植の成功率は上がりますね!
これを今のデジタルデンティストリー(歯科業界のデジタル化)の進歩により可能となったのです!
実際に出来上がったきた歯牙レプリカを移植側に試し入れしている時の画像です
抜いた状態そのままで試し入れているので、あっていないことがわかります。
抜歯窩をトリミングして、しっかりレプリカがハマるようになったので、
移植歯を抜歯して、レプリカと比較します
ほぼ一致しておりましたので、そのままトリミングされは移植側の埋入して糸を塗って固定しました。
何も調整せずに最速で移植が完了しました!
さらに固定をし、一週間おいたら糸を切って固定を除去しました
化膿もしておらず、この時点でかなり安定が始まっておりました
この時点で一安心ですね
大体一ヶ月前後で成功率80パーセントのうちの最初の10パーセントが脱落すると言われておりますので、この感じなら大丈夫そうです。
今回はこれでおしまいです。
歯牙レプリカの重要性はわかっていただけましたでしょうか?
わからない事などございましたら、お気軽にご相談ください。
次回は、この歯の根管治療をスタートしていきます。
西新宿五丁目デンタルクリニック
小坂井 竜也